ますとブログ

なぜ「言語聴覚療法」に「鍼灸」を掛け合わせるのか?脳科学と自律神経から見る、新しい吃音(どもり)ケアのエビデンス

2026年10月12日 15:39

こんにちは。MAST鍼灸院 / ことばの相談処マスト(大阪市北区西天満)です。

当院では、言語聴覚士(ST)による「言葉のリハビリ」と、鍼灸師による「身体のケア」を融合させた、独自の吃音改善コースを行っています。

一見、全く異なる分野に見えるこの2つの掛け合わせですが、近年の医学・脳科学の視点から見ると、非常に深い相乗効果(エビデンス)があることが分かっています。

今回は、「なぜ吃音に鍼灸と言語聴覚療法が有効なのか」を、科学的な根拠を交えて解説します。


1. 吃音の背景にある「脳の過活動」と「自律神経の乱れ」


近年の脳機能画像研究(fMRIなど)により、吃音の当事者の方の発話時には、脳の「運動野」や「感覚運動不一致」を司る領域が、非当事者よりも過剰に活動していることが報告されています。

この脳の過活動は、自律神経(特に交感神経)を優位にし、身体を「闘争・逃走モード(強いストレス状態)」にしてしまいます。

心療内科や精神科を受診される吃音の患者様の多くが、不安症や過緊張を併発しているのは、この自律神経のルートが深く関係しているためです。


2. 鍼灸がアプローチする「身体の過緊張(喉・首・肩)」の緩和


交感神経が優位になると、人間は無意識のうちに「呼吸が浅くなり、発声に必要な筋肉がロック」されます。特に、喉の周り(舌骨下筋群)、首(胸鎖乳突筋)、肩まわりの筋肉が強く緊張します。

どれだけ言葉のリハビリ(発話テクニックの練習)をしようとしても、楽器である「身体(筋肉)」がガチガチに固まっていては、声がスムーズに出ないのは当然です。

鍼灸治療には、以下の科学的な効果が認められています。

• 自律神経の調整: 体性-自律神経反射を介して、過剰な交感神経の興奮を抑え、副交感神経を優位(リラックス状態)にする。

• 深層筋肉の弛緩: 喉や首、呼吸筋の過緊張を直接的に和らげ、発声しやすい「しなやかな身体」を作る。


3. 言語聴覚士(ST)によるリハビリが生きる「土台」を作る


鍼灸によって自律神経が整い、喉や首の過緊張が抜けた状態(=発声しやすい土台)を作った上で、言語聴覚士による専門的なアプローチを行います。

• 環境調整や心理的アプローチ(不安の軽減)

• 身体がリラックスした状態での発話コントロールの獲得

• 段階的なコミュニケーション自信の回復

土台(身体)を鍼灸で緩め、その上で建築(言葉のリハビリ)をSTが担当する。この両面からのアプローチだからこそ、心療内科の薬物療法だけでは届かない「言葉の出しやすさ」を根本からサポートできるのです。


当院は地域医療の「言葉のリハビリの受け皿」です


当コースは、エビデンスに基づいたアプローチを大切にしています。

吃音どもりでお悩みの方、

近隣の精神科・心療内科に通院中の方で、「発話時の過緊張がどうしても抜けない」「言葉のリハビリも並行して行いたい」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。